2012年2月1日水曜日

浜田晋コレクションの版画

浜田晋コレクションの版画

東京でお世話になっていたコレクターの方が亡くなり、その方が集めた作品を多摩美術大学美術館で展示する事になりました。
牧野浩紀の作品も展示される予定です。
お近くにお寄りの際は是非伺っていただければ幸いです。


会期:201224[土]2012226[日]
 このたび「多摩美術大学美術館コレクション展―浜田晋コレクションの版画」を開催いたします。多摩美術大学美術館では2010年に、著名な精神科医師として、優れた地域医療の貢献者が表彰される「若月賞」の第一回受賞者であり、精神医療や老齢化問題に関する著作も多い浜田晋氏(1926―2010)より、545点にも及ぶ版画作品のコレクションをご寄贈いただきました。
浜田晋氏は、大病院では掌握しきれない細やかな精神医療の現場の重要性を訴え、地域密着型の都市部を中心とした精神診療所の発展を導いたパイオニアとして、多くの医療関係者にも影響を与えました。下町の精神科医として、上野の医院で30年以上も地域の人たちとの交流を礎とした臨床医療を実践し続けました。その医師としての仕事に従事する傍ら、足しげく銀座の画廊などの展覧会に通い、多くの版画作品を入手し続けました。その長年の蒐集作品は著名なアーティストの作品から、将来有望な若手アーティストの作品まで多岐にわたり、現代版画表現の開拓者として日本を代表する版画家や、各種の現代アートの最前線で活躍するアーティトの版画作品など、貴重で珍しい作品も含まれています。版種も木版、銅版、リトグラフ、シルクスクリーンなど多種多様で、また制作年も幅広くバラエティに富んだものです。精神医療という現代における社会的重要性が益々ましているジャンルで偉大な業績を残した人物が、美術という違った世界についても、優れた審美眼により秀逸な作品蒐集をなしえたことは、米国のフリッツ・コレクションやバーンズ・コレクションの例をみるまでもなく、後世に遺すべき蒐集として讃えられるでしょう。 この展覧会では、浜田晋コレクションより約150点を選抜し、展示いたします。残念ながら浜田晋氏は作品寄贈の後に逝去されましたが、そのコレクションの粋をご覧いただける機会になれば幸いです。